デフアカデミーの教材の秘密 〜指導員研修〜

今日は、デフアカデミーの顧問をお願いしている
西岡先生に来て頂き指導員の研修を行いました。

西岡先生といえば、以前、5分の挨拶をお願いしたら20分話し続け
聞いた話によると、持ち時間2時間の講演会で4時間話したこともあるそうです(怖)
30年、塾の塾長として生徒の前で話をする仕事だったため
「人間ってこんなに話し続けることができるんだ?!」というくらい
ご本人も長く話すことが苦ではない、職業病のようなものだと仰っていました。

西岡先生の名誉のために、肝心の話の中身ですが
眠ささえ感じなければ、大変良いお話です。(?)
(人間の集中力の限界を感じます)

本気で西岡先生の名誉の話をすると
日本の教育の業界で多数のヒット教材を生み出し
最近では、中国での幼児教育業界の盛り上がりに乗って大活躍されています。
(中国から帰国されると高確率でお腹を壊しています。すみません。名誉ってなんでしょうか。)

一番左が西岡先生。このイベントは中国の国営放送がニュースで配信しています。

そんな大変親しみやすい西岡先生が
早稲田大学院に在籍されていた頃に私たちは出会いました。

私達に出会うやいなや、西岡先生は研究室を移り
聴覚障害・難聴児の助詞学習の研究を始められたのです。

何度も何度もごはんを御馳走になっては、
聴覚障害・難聴児の教育課題を議論する日々でした。

その中で、デフアカデミーという塾の構想が出てきたのです。

そして、この記事が私達に大きなインパクトを与えました。

参考

聴覚障害者の視覚能力が高い理由ナショナルジオグラフィック

記事のタイトル通り、「聴覚障害者の視覚能力が高い理由」が示されているのです。
聴覚障害者の脳の機能構成の中で、聴覚の部分に視覚の情報が移り住む。
すなわち、「視覚情報の処理に使われる脳の範囲が広い」ということです。

能力で言うと、周辺視覚と動体視力が高まりやすい。

実際、きこえない・きこえにくい子どもたちは
人や物の「気配」を知るために、音ではなく周囲を見渡し
見えたものを瞬間的に記憶することで「気配」を感じていると言われています。
日常的に、視覚情報を多く使っているのです。(むしろ、使えないといけない)

これは学習面では、訓練すれば目から一度に大量の情報をインプットできることを意味します。
これが、速読力や映像(画像)記憶、つながってパターン認知、図形感覚
集中力や推測(予知)力に良い影響があるのです。

そこから、「このプラスの障害特性を思いっきり活かしていこう」というデフアカデミーのコンセプトになりました。

今日の指導員研修では、西岡先生が「記憶のメカニズム」と共に説明してくれました。

そこで、デフアカデミー用にリニューアルした
「形で覚える都道府県」という教材を
10月からデフアカデミーで小学生向けに実施しています。

深夜3時にも関わらず宮田先生が協力してくれました。毎日準備大変そうです。人気の大分県。

この紙を紙芝居のように、フラッシュで「パッパッパッ」と子どもたちに見せていきます。

画像記憶力を活用した、都道府県の暗記です。

いまデフアカデミーでは、小学校低学年でも形を見ただけで
都道府県名を言える子が増えています。いい調子!!

形で覚える都道府県カルタも登場!白熱しています!負けた子は、自分で学習を頑張ります。子どもはすごい!

これも西岡先生の、これまでの積み重ねがあってこそです。
有難うございます!!

そしていちばん最後に大切なこと。
これからもデフアカデミーは、子どもたちが自ら楽しんで学習に取り組めるような仕掛けを
たくさん取り込んでいこうと思います。

実は、この都道府県はテストに重点的に出るとか、そういうわけではありません。

ただ、「おれ、47都道府県、形見ただけで言えるねん!!!!!」と
子どもたちが誇らしげに言ったときにグッと褒めてあげたい。
奥底には、きこえないから伸びた力があります。

私たちには、学習や運動、遊びも褒めるきっかけに過ぎません。

そして、早い段階から子どもたちに自信を、「ぼくは、わたしは、できる!!」という肯定感を育てたい。

大きくなって、障害に苦しみ悩むこともあるでしょう。
しかしそんな経験の積み重ねが、子どもたちの「折れない心」につながっていると信じて。

そんな場所であるために、改めてもっと頑張ろうと思えた指導員研修でした。

(ちょっと重い)西岡先生を運んでくれた阪急電車とかにも感謝するレベルで有り難いです。

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